#5 渡米準備期間 2か月

USビザを取得してから渡米までは、約2か月の期間があった。
その間は、とにかく渡米の準備に追われていた。

役所や税務署での煩わしい手続き。
社内での渡米に関する各種申請や調整。

毎日何かしらの手続きを進めていたが、
どれも一筋縄ではいかず、常に
「抜け漏れがありそうだ」
という不安がつきまとっていた。

このころ、正直に言うと、かなり人間不信になっていた。

役所や税務署の手続きはとにかく煩雑で、
こちらが入念に調べて職員に申し出なければ、
大きな損をしてしまいそうな仕組みに感じられた。

社内での手続きも、感覚としては同じだった。

「なんでこんなにも、みんな他人行儀なんだろう」
「社会って、こんなに冷たくて、思いやりがないものなのか」

そんなことを考えては、
勝手に悲しくなっていた。

さらに、自分が今の部署を離れ、
アメリカ駐在員として選ばれたことについても、
表向きは良い言葉をかけられていたものの、

実は成績が低いから外に出されるのではないか、
そんなネガティブな考えが、
次々と頭に浮かんできた。

この時期は、本当に
「人の行動」や
「他人が自分をどう見ているか」
そういったものに、過剰に反応していたと思う。

今振り返ると、これは自分の昔からの悪い癖だったと思う。
いわゆる「自意識過剰」というやつだ。

役所や税務署をはじめ、
日本側で関わる人たちに対して、
渡米後もしばらくの間、
強い不信の念を抱き続けていた。

ただ、アメリカでの生活や仕事を経験する中で、
この感覚は少しずつ薄れていった。

諦めがついた、という表現が近いかもしれないし、
あるいは、自分の価値観が
別の方向に移っていった、とも言える。

「他人がどうか」よりも、
「自分にとって何を優先すべきか」
「自分が、どんな感情を大事にしたいのか」

そういったことを、
考えるようになったのだと思う。

これから、
アメリカでの生活を思い出しながら、
考えが変わっていったきっかけや理由を掘り下げ、
この感覚を、もう少し強固なものにしていきたい。

markun

30代です。 2025年よりアメリカ イリノイ州に住んでいます。 駐在員としてエンジニアをしています。

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